自分だけのファッション

高校の時に流行っていたファッションは、サーファーかアイビーでした。僕自身、サーフィンはやりませんでしたから、どうもサーファーの恰好をする事にとまどいを覚えていました。確かにカッコイイとは思っていましたが、あの髪型も自分にはとても似合わないと確信していましたから、気持ちを抑えてやらなかったのです。まあ、それで正解でしたが。
ですから、この時に僕が選んだファッションは、アイビーでした。と言っても、アイビーファッションというものは、これが恐ろしくお金がかかるものなのですね。高校生にそんな高価な服が買えるほど金銭的に余裕があるわけではありません。仕方なく、僕はアルバイトをやり、それで稼いだお金で少しずつ、気に入った服を買っていたのです。
この時期に僕が購読していたファッション雑誌は、『ポパイ』と『ホットドックプレス』というものです。この二誌は若者たちのバイブルとも言われた雑誌で、高校生の誰もが読んでいましたね。別冊なんかもすべて買いそろえていましたっけ。ボタンダウンのシャツにチノパン。VANのブレザーは定番です。
そう言えば、この時期の少し前、世の中は漫才ブームに沸き立っていましたが、その中で「ザ・ぼんち」という漫才師がいました。彼らが着ていたファッションが、まさにアイビーファッションでしたね。僕はそれを真似た事もありました。
そんなふうに高校時代を終え、アイビーファッションにも飽きて、僕は自分自身のファッションを確立しようと考えていました。と言っても僕にはそれほどたいそうなファッションセンスがあるわけでもありません。この時期、どんなファッションがいいか、自分なりにものすごく悩んでいたのです。どこかの国の民族衣装にしようか、とも考えました。兎に角、人とはちょっと違ったファッションがしたかったのです。
それでもなかなか結論が出ず、結局、回りと変わらないような、ジーパンにTシャツという恰好に落ち着いたのでした。

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